人生って、なんて短いだろう。いろんなことをしていきたいのに、いろんなことを諦めねばならない。小学校のとき読んだサルとトウモロコシの話を思い出した。サルはトウモロコシを捥ぐたびに脇に挟んで、また新しいのを捥ぐ。古いのが落ちてしまうのも気づかないまま。ふと気がついたら脇にはトウモロコシが一本しか残っていない。
小学生だった僕はきっとサルの馬鹿さを笑っていただろう。しかし今はもう笑えない。沢山のトウモロコシを抱えていくか、一つずつもらっていくか。人生という大きな背景におけば、後者のほうだと思う。一回に一つしか抱えていけないのだ。それに気づかないままでいるのは最も楽なことだが、一旦気がついたら、悲しむだけなのだ。
こんなこと考えてる自分は「後ろ向き」かもしれないが、両立しよう、あるいは「多立」しようという考えもあまりにも無理だ。どっちも中途半端になってしまう。だから諦めよう。が、諦めるのはつらい。